介護施設で働く理学療法士と作業療法士は、高齢者や障害を持つ人たちがより良い日常生活を送れるようにサポートする大切な役割を担っています。彼らの目標は、利用者の自立を促すことと健康状態の維持、時には改善を図ることです。理学療法士は、主に身体機能の回復や維持を目指します。具体的には、歩行訓練や運動療法を通して、筋力の向上や関節の動きを良くすることで、日常生活での移動や自立した生活をサポートします。例えば、転倒後のリハビリテーションで歩けるようになるための支援を行ったり、姿勢が悪くなってしまった高齢者に対し、正しい姿勢を保つための運動を提案したりします。

一方、作業療法士は、日常生活動作の改善を目指します。これには、食事、着替え、お風呂などの基本的な生活活動だけでなく、趣味や社交活動なども含まれます。作業療法士は、手先の動きを良くするための訓練や、特定の作業をこなせるようにするための工夫、そして日々の活動が自信とやりがいをもって行えるような支援をします。例えば、関節炎で手が思うように動かせない高齢者が自分で食事ができるよう、特殊な食器の使用を提案したり、脳卒中で片側が不自由な利用者が再び好きな絵を描けるように援助します。理学療法士と作業療法士は、介護施設において利用者の身体的な面だけでなく、精神的な面も含めて全人的なケアを目指しています。彼らが提供するリハビリテーションは、単に身体機能の向上だけではなく、利用者がその人らしい生活を送るための自信や喜びを取り戻すことにもつながります。そのため、理学療法士と作業療法士の仕事は、介護施設におけるサービスの質を高め、利用者の生活の質の向上に大きく貢献すると言えるでしょう。