栄養士が活躍する場所は病院や学校、企業やスポーツ関連施設など様々。中でも、少子高齢化が叫ばれる21世紀にあって特に注目されている場所が介護施設です。実際、介護施設で働く栄養士は数多くいます。ここで働く栄養士の仕事としては、まず食事の提供が挙げられます。食事の提供と一言で言ってもその内容は多岐にわたり、例えば献立の作成から必要な食材の発注や調理、食べやすい大きさに食材を刻むことや厨房の清掃まで含まれるのです。このように、日々の食事を提供するのはもちろんのこと、季節ごとに行われるイベントで提供する特別な献立を考えるのも栄養士の仕事です。

また、栄養アセスメントも欠かせない仕事と言えます。栄養アセスメントとは、介護施設を利用している人はそれぞれ異なる身体的特徴や好みを持っているものです。それぞれの健康状態や噛む力なども異なるため、集団で同じメニューを提供すればいくら栄養を考えて調理しても食べ残しが生じてしまいます。そうならないためにも、入居者一人ひとりの食事調査や健康状態の見極め、身体測定などを行って栄養状態を評価するのです。単純に評価をして、それに合った食事を提供するだけでなくきちんと食べられているか、食べ残しがないかなどのフォローをするのも栄養士の仕事。仮に評価に応じた食事を作っても、食べ残してしまう可能性も少なくありません。評価後に生じた問題にきちんと向き合うことも、栄養士に求められる重要な職務なのです。